国民年金未納問題

国民年金未納問題についてご説明します。

◆国民年金の概要

国民年金とは、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人が強制的に加入し、老齢・障害・死亡の保険事故に該当した場合、基礎年金を支給される公的な年金制度です。

年金の被保険者は、職業・就労形態・保険料納付の仕方で、3種類(第1号・第2号・第3号被保険者)に分類されていますが、国民年金に保険料を納付するのは、第1号被保険者のみが該当します。

◆国民年金保険料の納付義務

保険料の納付義務は、第1号被保険者本人にありますが、本人に収入がない時は、世帯主・配偶者も連帯でして保険料を納付する義務を負います。
また、保険料は納付期限(翌月末まで)より2年を経過した時は、時効により徴収権利が消滅しますので、保険料を納付することができなくなります。

◆国民年金の保険料の免除

第1号被保険者は、一定額の保険料を納付することになっていますが、経済的な事情等で納付が困難な場合、一定の要件に該当した時、本人の申請により免除される制度もあります。

国民年金未納に対する強制徴収

国民年金保険料を滞納した方に対して、社会保険庁長官が督促を行い、指定された日(指定期限)までに保険料が納付されない時は、滞納処分(差押、換価、充当(配当))を行うことができると、国税徴収法に規定されています。その際には延滞金として、年利14.6%が課せられます。

国民年金未納の現状

国民年金制度は全国民を対象とする制度ですが、2006年3月末現在、公的年金加入者の約94%は、保険料を納付(免除含む)しています。
一方、未納者約374万人、未加入者約27万人の未納該当者合計約401万人が存在しています。この数字は、公的年金加入対象者数の5.7%に当ります。
(未納者とは、過去2年間に1ヶ月も保険料を納付しない者を指します)

国民年金未納の原因

(1)被保険者の変化

制度発足時には、所得のある自営業者・農漁業者の被保険者が多かったのですが、近年は無職・学生・フリーター等の所得が無い、或いは著しく低い被保険者が増加しています。

(2)国民年金未納に関する近年の要因

1995年度から、20歳到達者で自ら資格取得の届出を行わない者に対して、職権適用を実施しましたが、職権適用者には、年金制度への関心や保険料納付の意識が薄いものが多かった。また経済の低迷、就業形態の多様化により、離職等による第1号被保険者の増加や保険料負担能力の低下が多かった。

(3)国民年金未納になる2002年度の要因

免除基準を改正したことで、免除からはずれた者が多く、これらの者の納付率が極めて低かった。保険料収納事務が市町村から国へ移管しましたが、収納体制の整備が遅れ、納付組織を活用できませんでした。

◆納付率の推移

近年の納付率は、平成4年度の85.7%をピークに年々低下し、平成14年度がもっとも低下しましたが、平成15年度から徐々に改善の兆しが見え始めてきています。最近までの推移は下記の通りです。

2002年(平成14年)度 62.8%・・・最終納付率66.9%
2003年(平成15年)度 63.4%・・・最終納付率67.4%
2004年(平成16年)度 63.6%・・・最終納付率68.2%
2005年(平成17年)度 67.1%・・・最終納付率71.2%(推定)
2006年(平成18年)度 66.3%・・・最終納付率70.3%(推定)

最終納付率とは:保険料は2年前まで遡って納付できるため、実際の納付率より、約0.4%ほど納付率が高くなります。

◆納付率上昇の理由

2004年度から2005年度にかけて、納付率が3.5%アップした理由は、主に法律改正と免除を積極的に推奨したことによるものが大きく、納付率が低い若年層が減少し、納付率が高い50歳台の後半層が増加したことが寄与しています。

◆納付率の当面目標

国民年金特別対策本部が設置され、保険料の未納要因分析を踏まえて、新たな個別収納対策を実施するとともに、保険料納付は、国民の義務であるという意識の徹底を図りながら、80%を目標として設定されました。

国民年金未納者に対する強制徴収の実施状況

:被保険者及び連帯納付義務者(配偶者・世帯主)に十分な所得がありながら、保険料が長期間(13ヶ月〜24ヶ月)未納になっている被保険者については、強制徴収が行われています。

:度重なる納付催告に応じない未納者に対しては、最終催告状(滞納処分の手続きの前に未納者に自主納付を促す最後の通知)を送ります。

:最終催告状の指定期限までに納付がない者には、督促状(未納者に未納保険料を督促する法定の通知)を送ります。

:督促状を発行することによって滞納処分の第一着手となり、これによって時効が中断し、保険料の徴収時効が、もう2年伸びることになります。

:督促状の指定期限までに納付がない者には、財産調査(金融機関等に対し、預貯金等の差押え可能な財産の有無を調査)を行います。

:差押予告(期限までに納付がない場合、差押えをすることを予告する通知)を送ります。

:指定した期限までに納付がない者には、財産差押(預貯金が主な対象)を執行します。

◆2006年12月末現在の強制徴収状況

2003年・・最終催告状 9,653件→ 督促状 416件→財産差押 49件
2004年・・最終催告状 31,497件→督促状 4,429件→財産差押 512件
2005年・・最終催告状172,440件→督促状47,828件→財産差押5,558件
2006年・・最終催告状254,469件→督促状43,540件→財産差押1,310件
2007年・・最終催告状の発行目標 600,000件

◆今後の法改正案

(1)保険料を納めやすい環境の整備・手続きの簡素化

:クレジットカードによる納付(2008年(平成20年)3月分より実施)
:任意加入被保険者(60歳以上)の口座振替による納付の義務化
:生活保護受給者や学生等の免除手続きの簡素化

(2)社会保険制度内での連携による保険料納付の促進

:国民健康保険(市町村)との連携
:社会保険に密接にかかわる事業者等(保険医療機関・保険薬局・指定訪問看護事業者・介護保険事業者・介護保険施設及び社会保険労務士)との連携

(3)事業主との連携による保険料納付の促進

:事業主に対し、事業所における周知や保険料の納付の勧奨等に関して、必要な協力を求める。

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posted by nenkin1321 at 13:00 | 国民年金未納問題
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